人について行くのが得意だった
まず対象を見失うようなミスを犯すことは無いのだ。
そのため、高校を卒業するまで、刺激的な何かに出会うようなことが無い人生だった。
高校を卒業する頃、進学するのか、就職するのかという段階になり、生まれて初めていくつか決断らしきものをした。
大学への進学を勧める学校や家族の反対を押し切って、私は自衛隊に入ったのだ。
兄弟が多く、親の苦労を沢山見ていたため、早く家を出て親の負担を減らしたかったのだ。
それに、興味があった。 それまであまり人生に興味を持てなかった私だが、戦車や、銃といった武器に非現実性を見出していた。
今になって思えば、それも恐らく、中学校時代から読み続けていた少年誌の影響だろう。
世紀末で荒れ果てた世界を描いた内容のものが多かったからだ。
また、その少年誌を読み始めたきっかけも他ならぬ兄貴だったのだが。
頭のいい兄は、その漫画の中の出来事を現実には起こらないものだと判断した上で楽しんでいたが、私はその漫画の見事な表現力にすっかり魅了され、感情移入していた。
もちろん、日本が核戦争に巻き込まれてしまうとは思っていなかったが、いつからか、頼れるのは自分だけだと思うようになっていて、強くならなきゃいけないと考え始めていた。